鉄道でヨーロッパ南部を縦断 ~公共交通とまちづくりから学ぶ~
たかつき交通まちづくり研究会では、このたび「鉄道でヨーロッパ南部を縦断」をテーマとした報告会を開催しました。
今回の講演では、イタリア・フランス・ドイツ・ルクセンブルクを鉄道で巡りながら、各都市の公共交通やまちづくりを現地で調査した内容が、多数の写真とともに紹介されました。
単なる旅行記ではなく、「公共交通をどうすればもっと使いやすくできるのか」「人口減少や運転士不足の時代に、日本の公共交通はどうあるべきか」を考える、大変示唆に富んだ内容でした。
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ヨーロッパを鉄道で縦断
今回の旅は、イタリア・ミラノを出発し、フランス・リヨン、ドイツ・カールスルーエを経て、ルクセンブルクへ向かうルートです。
国境を越えながらも鉄道ネットワークは非常に充実しており、都市間をスムーズに移動できることに驚かされます。
国境付近ではパスポート確認が行われる場面もありましたが、それも含めてヨーロッパならではの鉄道旅行の魅力が紹介されました。
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リヨン ~鉄道を中心に都市交通がつながる~
フランス第二の都市・リヨンでは、パールデュー駅を中心に鉄道・トラム・バスが一体となった交通体系が整備されています。
駅前には公共交通が集約され、鉄道から降りると自然に次の交通機関へ乗り換えられるよう設計されています。
日本でも駅前再整備が各地で進められていますが、「駅を交通結節点として最大限活用する」という考え方は、非常に参考になるものでした。
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カールスルーエ ~トラムがまちの主役~
今回の視察で最も印象的だった都市の一つが、ドイツ・カールスルーエです。
駅前に降り立つと、次々とトラムが発着し、多くの市民が公共交通を利用している様子を見ることができます。
特に中心市街地では、自動車よりも歩行者とトラムを優先した空間づくりが進められており、商店街の中を静かにトラムが走る風景はとても印象的でした。
近年は都心部の一部を地下化し、地上空間をより歩きやすい都市空間へ再編しています。
地下駅への入口やエレベーターも整備され、バリアフリーにも十分配慮されていました。
さらに、駅では誰でも自由に持ち帰ることができる路線図や時刻表が数多く用意されていました。
デザイン性にも優れ、「公共交通を使いたくなる情報提供」が徹底されていることが感じられます。
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ルクセンブルク ~公共交通は「まち全体のインフラ」~
続いて紹介されたのはルクセンブルクです。
世界で初めて全国の公共交通を無料化したことで知られていますが、実際に現地を訪れると、「無料」であること以上に、交通ネットワーク全体の完成度の高さが印象的だったそうです。
駅前には近代的なトラムが発着し、鉄道・バス・トラムが自然につながっています。
近年は空港までトラムが延伸され、旅行者にとっても非常に利用しやすい交通体系となっています。
また、市内各所ではパーク&ライドやシェアサイクルも充実しており、自動車だけに依存しない交通体系が構築されていました。
公共交通、自転車、徒歩、それぞれが役割を分担しながら、まち全体で人の移動を支えていることがよく分かります。
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日本との違いは「乗換えのしやすさ」
講演の後半では、日本との比較が紹介されました。
特に印象的だったのが運賃制度です。
ヨーロッパの多くの都市では、一枚の乗車券で一定時間内であれば鉄道・トラム・バスを自由に乗り継ぐことができます。
日本では「乗り換えるたびに初乗り運賃が必要」というケースも少なくありませんが、ヨーロッパでは利用者が最も便利なルートを選びやすい制度となっています。
これは公共交通全体を一つのネットワークとして考えているからこそ実現できる仕組みと言えるでしょう。
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運転士不足の時代に求められる公共交通
現在、日本では運転士不足が大きな課題となっています。
講演では、今後は鉄道を幹線交通として活用し、路線バスは駅と地域を結ぶ「フィーダー交通」として役割分担を進める必要があるとの考えが紹介されました。
そのためには、事業者ごとの運賃制度ではなく、「利用者が乗り換えやすい制度」を地域全体で考えることが重要になります。
大津市ではJR・京阪電車・路線バスの連携が重要との紹介がありましたが、これは高槻市をはじめ、多くの都市にも共通する課題だと感じました。
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日本の公共交通の強みも再確認
一方で、日本の公共交通にも世界に誇れる点があります。
時間どおりに運行される正確さ。
駅や車両の清潔さ。
丁寧な接客。
そして、安全・安心な社会。
海外の優れた制度を学ぶだけではなく、日本が持つ長所もしっかり活かしていくことが大切であるという点も印象に残りました。
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今回の報告会は、ヨーロッパ各都市の公共交通を紹介するだけではなく、日本の公共交通の未来を考える大変有意義な機会となりました。
人口減少や運転士不足が進む中、公共交通を持続可能なものとしていくためには、鉄道・バス・自転車・徒歩を組み合わせた「ネットワーク全体」で考える視点がますます重要になります。
たかつき交通まちづくり研究会では、今後も国内外の先進事例を学びながら、高槻市をはじめ地域の公共交通やまちづくりについて考え、情報発信を続けてまいります。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。