摂津富田駅前の「シンボルツリー伐採」と喫煙所新設の問題点

伐採前

伐採後

JR摂津富田駅北口の風景が、いま大きな批判にさらされています。長年、駅前のシンボルとして親しまれ、酷暑の中でも市民に木陰と憩いを提供してきたクロガネモチの大樹が突然伐採され、ベンチも撤去されることが判明したからです。

今回の工事の最大の問題点は、高槻市が「市民の憩いの場」よりも「分煙」と称する駅前での喫煙推奨と空調付き喫煙室での喫煙者保護を優先したことにあります。バリアフリー化に伴う公衆トイレ撤去・新設と喫煙所の新設によって歩行・滞留空間が圧迫され、そのしわ寄せが豊かな公共空間を形作っていた樹木やベンチに向けられたのです。

さらに看過できないのが、高槻市の独断的かつ隠蔽体質とも言える進め方です。

議会への不誠実な説明

市議会議員への政策説明の際、市は「既設トイレの西側に喫煙所を設置する」とし、通行空間も確保できると回答していました。そこでは樹木の伐採やベンチの撤去については一切示されていませんでした。

市議への説明資料(北岡市議ブログより)

住民への情報隠し

近隣住民に配布された「工事のお知らせ」の図面でも、樹木やベンチが撤去されることは明記されていませんでした。

住民への工事のお知らせ

開示された「真実」

しかし、市民の請求を受けて後から出てきた工事の詳細図面には、はっきりと「高木撤去」の計画が描き込まれていたのです。

つまり、市は最初から伐採・撤去を計画していながら、市民や議会からの反発を恐れてその事実を伏せたまま工事を強行しようとした疑いが濃厚です。

公共植栽の軽視が今回の失態を生んだ

令和8310市民都市委員会・協議会議事録によると、維新のきもと委員が高槻駅西口のトイレバリアフリー化工事に関連し、「土地の左右には植樹スペースがありますが、管理が行き届いていません。 これは維持管理の問題ではありますが、このような状態で置いとくのであれば、いっそのことこの部分を減らすなりなくすなり、土地として有効活用するほうが望ましく、こうすることにより、多少とも維持管理費も抑えられると思います」と発言し、市課長は「…建物規模が拡大することから、南側の植栽スペースや水路側の市管理地等を有効活用することで、必要な建物敷地を確保する計画としております」と回答しています。市議会・市担当者の間に「公共空間の植栽は邪魔者・お荷物」という思想が根付いていることがわかり、今回の摂津富田駅北の工事においてもこの考え方が採られた可能性があります。

市が駅前公共空間の価値を理解していれば、トイレの更新や喫煙所新設の位置について、JRと調整して地下歩道の上部空間を活用することなどもできたはずで、あまりにも拙速な計画であったと言わざるを得ません。

公共空間は市民のものです。喫煙という、他者に健康被害をもたらず行為を愛好する特定の利用者のための施設整備を最優先し、そのために長年市民に愛されてきた緑や休息の場を、説明もなしに奪い去るような市政のあり方は、到底許されるものではありません。市民の声に耳を傾けない高槻市の強引な手法に対し、いま厳しい目が向けられています。