高槻市の西部地区、摂津富田駅圏にお住まいの方にはお馴染み、「JR摂津富田駅西側のアンダーパス問題」(JRアンダー)。
高槻市西部の南北をつなぐ重要な府道であるにも関わらず、このJR線路下の部分は歩道もなく、市内でも有数の劣悪な歩行者環境となっています。
昔から「市が高架化したいと言っている」といった噂を聞いた人は多いと思いますが、一向にその気配もなく。
あそこの問題はいったいどうなってんねん!ということで調べてみました。
まずは駅周辺地区の位置づけから
高槻市はJR摂津富田駅(以下「JR駅」)・阪急富田駅(以下「阪急駅」)の周辺を「富田都市拠点」として、高槻市西部の中心となる場所と位置づけています。
主要な公共交通としてはJR摂津富田駅・阪急富田駅の2駅があり、大阪・京都へと繋がる重要な交通拠点です。
一方、東西に並ぶ鉄道2線は地域の交通分断の要因ともなっています。
またJR駅北近くには東西交通の軸となる国道171号線があって自動車利用が多く、JR駅北側を中心に広範囲にバス路線が充実。
JR駅・阪急駅間は駅周辺で200m程。駅の西には地域南北をつなぐ唯一の幹線道路がありますが、歩車分離もできない狭小なJRアンダーパス(上記)や阪急踏切の渋滞頻発を抱えて地域内移動の重荷になっており、早急な問題解消が求められています。
高槻市は当初、「高槻市西部地域の玄関口」としてJR駅を中心に都市整備を進めたが、平成に入り進行中の都市整備が停滞。
一旦リセットして、「阪急高架化を目的に富田地区の活性化・重点整備」(富田地区交通まちづくり基本構想)を打ち出し、阪急南・富田地区の住宅地区を中心に都市計画を集約しています。
JRアンダー・阪急踏切の現状
「JRアンダー」(地図赤○印)。概要は以下の通りです。
橋桁名:「とうかい151」
道路名:府道127号線(摂津富田停車場線・富田奈佐原線などの名称もある)
桁下:3.6m
桁間:約5.5m
通行量:自動車10,000台超/日
JR(旧国鉄)開業当初から高槻市西部(富田)南北を繋ぐ幹線道路のJRアンダー。歩行者・自転車の危険解消は、市の都市構想でも最優先とされた項目です。阪急踏切(地図青〇印)の交通渋滞と合わせて、危険性と機能不全は衆目の一致するところです。
市議会で市は「抜本的な解決には多大な費用と期間を要するなど多くの課題があることから、具体的な整備のめどが立っていない状況」と答弁していますが、 40年前当初から大阪府は抜本的解決策として「道路側立体交差による新道」を都市計画として策定済みです。
高槻市が阪急・JR高架化を推進していることで、府の都市計画が停滞しているという状況になっているのです。
市民からすれば、明確に危険な状況が40年以上も放置されており、解決への選択肢・判断は提示されず、「見過ごしが当然」の様になっているということになります。
市が鉄道高架化を推進することになった経緯は?
阪急高槻市駅周辺の高架化が完成したのは平成5年。その頃から市は阪急富田駅周辺の高架化を検討していましたが、大阪は平成10年頃には「事業化困難」と言っていました。
にも関わらず市は平成21年に「富田地区まちづくり基本構想」を策定し阪急高架化を推進。
その後JR摂津富田駅周辺の高架化も推進している、というのが現状です。
ではその事業コストは?
高架化にかかるコストは阪急の場合365億円、工事期間は30年。JRの場合695億円、工事期間は60年。何だか、気の長い話のようです。
「鉄道高架化さえできれば解決する」と言い続けてウン十年。放置・蓄積される都市課題
市民が鉄道高架化の実現性を感じられず、将来ビジョンが示されないことで、都市部の未来像が描けない…残念ながら、これが高槻市西部地区の現状です。
児童をはじめ歩行者の劣悪な交通環境は置き去りにされ、地域の魅力は相対的に低下していきます。
阪急駅南側の富田地区への公共投資意欲は旺盛ですが、JR駅北側へは?この偏りも市民の目には不思議に映っていることでしょう。
交通に限定して言えば、下記のような課題が放置されたままです。
a) 駅間商店街での歩車混合
b) JRアンダー狭小路での渋滞、歩車分離のない路肩隙間で自転車・歩行者が混合通行
c) 渋滞の原因である踏切への右折侵入の増加
d)通勤通学で幹線道を回避する自転車・2輪が通る路地道へ大規模商業店の利用車両等が流入(幹線道路の渋滞回避目的の一方通行指定により)
私たち一般市民としては、いつになるかもわからない「鉄道高架化」に付き合い続けるしかないのでしょうか?
それ以外にもっと早く、安く問題を解決する方策を検討すべきなのでしょうか?
一人一人がこの問題に目を向け、声を上げていただければ幸いです。










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