JR摂津富田駅西側のアンダーパス問題って、今どうなってるの?

劣悪な歩行者環境が続くJR摂津富田駅西側のアンダーパス


高槻市の西部地区、摂津富田駅圏にお住まいの方にはお馴染み、「JR摂津富田駅西側のアンダーパス問題」(以下「JRアンダー」)。

高槻市西部の南北をつなぐ重要な府道であるにも関わらず、このJR線路下の部分は歩道もなく、市内でも有数の劣悪な歩行者環境となっています。


JR摂津富田駅、阪急富田駅周辺の地図です。赤丸部分がJRアンダー、青丸部分がその南の阪急踏切を示しています。

阪急踏切では渋滞が頻発し、道路幅員の狭さもあって歩行者が避ける道になっています。

このJRアンダーの問題は、JR摂津富田駅・阪急富田駅周辺地区の自動車・自転車・歩行者の交通状況と相互に関連しており、下記のような課題があります。交通事故状況を示す地図から見てみましょう。

a) 駅間商店街への自動車の流入と歩車混在

b) JRアンダー狭小路での渋滞、歩車分離のない路肩隙間で自転車・歩行者が混在

c) 渋滞の原因である踏切への右折侵入の増加

d)通勤通学で幹線道を回避する自転車・2輪が通る路地道へ大規模商業店の利用車両等が流入(幹線道路の渋滞回避目的の一方通行指定により)

この問題点については、たかつきこまちも2015年にシンポジウムを開催。交通まちづくりをめぐる状況や歩行者の安全対策について考えました。

JR・阪急について、以前から「市が高架化したいと言っている」といった噂を聞いた人は多いと思いますが、一向に動き出す気配もありません。あそこの問題は今はいったいどうなってんねん!ということで調べてみました。

まずは駅周辺地区の位置づけから


高槻市はJR摂津富田駅(以下「JR駅」)・阪急富田駅(以下「阪急駅」)の周辺を「富田都市拠点」として、高槻市西部の中心となる場所と位置づけています。

主要な公共交通としてはJR摂津富田駅・阪急富田駅の2駅があり、大阪・京都へと繋がる重要な交通拠点です。

一方、東西に並ぶ鉄道2線は地域の交通分断の要因ともなっています。

またJR摂津富田駅北近くには東西交通の軸となる国道171号線があって自動車利用が多く、JR摂津富田駅北側を中心に広範囲にバス路線が充実。

JR摂津富田駅・阪急富田駅間は駅周辺で200m程。駅の西には地域南北をつなぐ唯一の幹線道路がありますが、歩車分離もできない狭小なJRアンダーパスや阪急踏切の渋滞頻発(上記)を抱えて地域内移動の重荷になっており、早急な問題解消が求められています。

高槻市は当初、「高槻市西部地域の玄関口」としてJR摂津富田駅を中心に都市整備を進めましたが、平成に入り進行中の都市整備が停滞。一旦リセットして、「阪急高架化を目的に富田地区の活性化・重点整備」(富田地区交通まちづくり基本構想)を打ち出し、阪急南・富田地区の住宅地区を中心に都市計画を集約しています。

JRアンダー・阪急踏切の現状

「JRアンダー」の概要は以下の通りです。

橋桁名:「とうかい151」
道路名:府道127号線(摂津富田停車場線・富田奈佐原線などの名称もある)
桁下:3.6m
桁間:約5.5m
通行量:自動車10,000台超/日

JR(旧国鉄)開業当初から高槻市西部(富田)南北を繋ぐ幹線道路のJRアンダー。歩行者・自転車の危険解消は、市の都市構想でも最優先とされた項目です。阪急踏切の交通渋滞と合わせて、危険性と機能不全は衆目の一致するところです。

市議会で市は「抜本的な解決には多大な費用と期間を要するなど多くの課題があることから、具体的な整備のめどが立っていない状況」と答弁していますが、 40年前当初から大阪府は抜本的解決策として「道路側立体交差による新道」を都市計画として策定済みです。

高槻市が阪急(のちにJRも)高架化を推進していることで、府の都市計画が停滞しているという状況になっているのです。

市民からすれば、明確に危険な状況が40年以上も放置されており、解決への選択肢・判断は提示されず、「見過ごしが当然」のようになっているということになります。

市が鉄道高架化を推進することになった経緯は?

昭和30年代~ 都市計画道路の策定 (道路周辺の建築規制)
[阪急]
平成5年 阪急高槻市駅周辺の高架化完成
平成4年頃~ 阪急富田駅周辺の高架化検討
平成10年 大阪府: 「事業化困難」 大阪府の財政健全化政策による中止判断
平成12年 大阪府: 「見通しが無い」 鉄道高架化補助の要件緩和による再要望
平成21年 富田地区交通まちづくり基本構想「阪急高架化の実現のためのまちづくりを行う」
[JR] 
平成27年~ JR摂津富田駅周辺の高架化を検討「JR高架が実現すれば、 阪急高架化につながる」
令和元年 大阪府: 「事業化困難、 高槻市主体で検討を」「除却踏切に府道がない、 高槻市は事業主体になりえる中核市」
令和2年 JR高架・ 芥川橋梁・護岸同時工事を検討 高槻市 大阪府主体の事業化要望/大阪府: 河川事業者として勉強会に参加

阪急高槻市駅周辺の高架化が完成したのは平成5年。その頃から市は阪急富田駅周辺の高架化を検討していましたが、大阪府は1998(平成10)年頃には「事業化困難」と言っていました。

にも関わらず市は2009(平成21)年に「富田地区交通まちづくり基本構想」を策定し、「JRガード下の安全対策」を掲げながら阪急高架化を推進。その後「JRが高架化できれば阪急もできる」という考え方から、JR摂津富田駅周辺の高架化も推進している、というのが現状です。

ではその事業コストはどのくらいなのでしょうか?

高架化にかかるコストは阪急の場合365億円、工事期間は30年。JRの場合695億円、工事期間は60年。何だか、気の長い話のようです。

「鉄道高架化さえできれば解決する」と言い続けてウン十年。放置・蓄積される都市課題

市民が鉄道高架化の実現性を感じられず、将来ビジョンが示されないことで、都市部の未来像が描けない…残念ながら、これが高槻市西部地区の現状です。

児童をはじめ歩行者の劣悪な交通環境は置き去りにされ、地域の魅力は相対的に低下していきます。そもそも、鉄道輸送減少局面の今、高架化の費用と維持費をかけることにどれだけ現実味があるのでしょうか?

阪急駅南側の富田地区への公共投資意欲は旺盛ですが、JR駅北側へは?この偏りも市民の目には不思議に映っていることでしょう。

私たち一般市民としては、いつになるかもわからない「鉄道高架化」に付き合い続けるしかないのでしょうか?

それ以外にもっと早く、安く問題を解決する方策を検討すべきなのでしょうか?

一人一人がこの問題に目を向け、声を上げていただければ幸いです。


詳しく知りたい方は、高槻市総合交通戦略(問い合わせ先:都市づくり推進課)をご覧ください。

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