日吉台小学校区こまち歩き③芝谷中学校東南の交差点


芝谷中学校東南部交差点1

日吉台小学校南側の②から西へ、③の交差点にやってきました。ここについては「校区安全マップ」では何も書かれていませんが、「見えない交差点」では歩行者・軽車両の事故が多発しています。


グーグルマップより


この交差点について、こまち歩き参加者の印象は下記の通りです。
  • 中学生の通学路。開けた交差点なので見通しは良さそう。
  • 横断歩道に自転車通行帯?がある。
  • 交差点には自動車等の左折用に道路際に沿った誘導路がある。
  • 交差点周辺に自転車通行帯を示す標示はなく、歩道の中に自転車通行帯があった。
  • 左折誘導路のある交差点は、デザイン的にはカッコ良いのかも知れないが、二段階右折を求められる路上の自転車や原付はこの誘導路上で待機すべきか、それとも更に中央寄りの斜線場所で待つべきか。左側道路が「左折可」でない確証もないので、やはり道路内での待機は怖い。
  • 尾根上の道の東西(開設時期の新旧で、道路が示す自転車へのメッセージ・居場所が一変している。
論点は下記かと思います。
  • 見通しの良さそうな芝中東南部の交差点でなぜ軽車両・歩行者が関係する事故が多いのか?
  • 中学生や小学生の自転車が事故に関係しているのか?
  • 自転車の通行環境と事故はどのような関係があるのか?
ここで、この交差点の事故状況を詳細に見てみましょう。


道路の構造から考えて、下記問題点が浮かび上がってきます。被害者は歩行者と(電アシを含む)自転車利用者です。また、点の位置から考えると、d(クルマ×二輪)を除いて、ほとんどが横断歩道もしくは自転車横断帯で発生していると窺えます。
地元の方のご協力もいただいて、下記のことが見えてきました。

①交差点隅角部の曲線半径が大きく自動車が速度を落とさない

一見すると見通しも良くよく整備されたかに見える交差点。ですが改めて見ると隅角部の曲線半径が大きいように思います(隅角部の曲線半径を小さくすると車の左折時の速度を抑える効果があります)。また角の植栽も樹木ではないものの、よく茂るとヒトの動きを捉えにくくするのではと思います。それらがドライバーの慢心を誘発しやすいのかもしれません。

②歩道が広く自転車が高速化しやすい

自転車も歩道内・車道との出入りは徐行(歩行速度)が基本ですが、ここは歩道幅員が広いため、自転車自身の「速度」への認識の甘さもありそうです。

③歩道上に植栽のある左折レーンのため自動車の視野が狭くなりやすい

左折レーンに沿った自動車は横断歩道に対して左斜めに侵入するのでより深く左肩越しの死角が広がります。植栽のむこうの歩道という微妙な距離から横断歩道への駆け込みは、前例に似た死角からの飛び込みになる可能性があります。

④植栽の管理ができておらず自転車・自動車の間の壁になっている


この交差点の問題は、歩道の植栽の管理状況です。通常でも視界を遮りますが、丈が伸びると大人でも横断前の歩行者や自転車を車から視認するのが難しいです。
自動車の運転者の視点はだいたい胸のあたりになりますが、その視点でこの交差点で左折するときにどのように見えるかを撮影してみました。


冬はこの感じですが、夏には雑草が1.5倍か2倍くらいの高さになります。直進の場合ですが、高速道路から西への道は、特に最近交通量が増えています。直進車が黄色点滅から赤信号にかわる直前に交差点に進入すると、青信号だけを見て横断しようとする歩行者と接触するタイミングになります。特に、子どもは植栽で自動車が見えず、前の信号のみを見て横断するので、とても危険です。この場所にこの形で管理できない植栽が必要なのか、考え直してみる必要がありそうです。

名神高速道路(高槻JCT)との接続のため道路が延伸されて以来、交通量が増えていることも相まって、この交差点での事故の可能性が高まっていると言えそうです。

芝谷中学校東南部交差点2

交差点1から少し南に行くと、不思議な形の交差点が現れます。一般的な十字路ではなく、北側の道路だけ真ん中に分離帯があります。


グーグルマップより

地元住民の方によると、「見えない交差点」で人身事故の情報こそ出ていないものの、物損事故や事故寸前の危険な状態が日常的にあるそうです。

南側から見るとこんな感じです。


問題は南側からこの交差点に至る道の傾斜。次の動画のように、結構な上り坂なので、南側から上ってくる車両はすぐ先に交差点があることが予見できず、速度を落とさず登り切ってしまい。また上った先は複雑な交差点形状のため、危険な状況が起こりやすいそうです。

南側から上る際の動画です。


地元自治会の要望で最近「この先交差点」の看板が設置されたそうですが、道路表示や道路構造上、改善の余地が大きそうです。

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