【高槻の自転車空間を訪ねて】富田丘町の交差点

今回とりあげるのは富田地区のある交差点です。
自転車に乗っていると、何だかすっきりしない感じを覚えることがないでしょうか。道が狭いとか、舗装が荒れているというだけではなくて、でもその理由をはっきり言えなかったりします。そんな「モヤモヤ」を、特定の交差点に絞って掘ってみようと思いました。そのとき念頭に浮かんだのが会の会合場所からも比較的近いこの交差点でした。

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概要

場所と概要を下に示します。高槻市のずっと北の方から国道171号を縦断して南へ降りてきた道が、そのまま真っすぐ南へ進む道と、JRの摂津富田駅(図の外)へ向かう道とに分かれている箇所になります。近くには大型スーパーや量販店もあって、人もクルマも自転車も利用の多い界隈です。
交差点の名前らしいのが見当らないので、この記事では仮に富田丘町の交差点と呼ぶこととさせていただきます。

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googleマップより

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この交差点、現地に立って見ると一見丁字路のようなのですが、こうして見ると十字路のようでもあります。細い道なので目立たないのですが、西側にも枝が出ているので3路線4枝の交差点となります。また、幅の広いメインの道路(富田駅北宮田線)が直進しないで曲がっているのも特徴です。歩道もひと通り設けられていますが、カド毎に形や広さが大きく違います。

※南の枝(富田丘町5号線)からも細い道が出ていますが、横断歩道の外なのと通行量も少ないこと、また以下の観察・考察があまりにも煩雑になることから外させていただきました。

下は、この付近に整備されている自転車用の標示類(青色のラインやサインなど)です。

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これらの青色のマークやライン、絵文字(ピクトサイン)は自転車の走る位置と向きを示すもので、自転車の利用者にこの標示のある車道の左端を車と同じように一方向に走ることを促しています。北枝のタイプは「車道混在(もしくは矢羽根型路面標示)」①、東枝のタイプは「自転車専用レーン」②と言って、総じて「自転車走行空間」と呼ばれます。①と②の大きな違いは、①が車とスペースを共有しましょうというのに対し、②はラインの外側(歩道との間)が自転車専用のスペースとされる点です。なお交差点の中にも①と似た標示 ③ があります。

○以上から富田丘町交差点の外見面の特徴をまとめてみました。

1. 四枝の交差点。メインの路線(南東から北)が直進せず交差点で屈曲している。
2. 4枝のうち1本は細街路のため、一見丁字路風。
3. 信号・横断歩道あり。歩行者用信号は4セットあるが、車両用信号は3つ。
4. 歩道は付いているが、形状やスペースの大小がコーナー毎に大きく異なる。
5. 交差点を挟んで「自転車走行空間」の整備手法が変わる。
6. 交差点内は一方向の矢羽根のみとなっている。

いちおう枝四本の交差点ですが、信号の設置や自転車用の路面標示など、変則的な構成が目立ちます。そうしたこの交差点の形状が自転車の利用にどんな影響があるでしょうか。

上の特徴のなかでも「6」は、交差点の中の矢羽根の標示が片方向だけなのが、自転車で通る際にスグにも気に留まる点です。北の枝から交差点に近づくと、矢羽根がサブ(従)の道の方へ延びながら、その先には自転車の標示がなく、何だか自転車を用のない道へ引っ張りながらその先を放り出すような途切れたかっこうになっています。一方で東の枝からは「自転車走行空間」の延長の表示がありません。何か特別な意図があってこのような表示になっているのか、違和感を覚えずにいられない点です。

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交差点の中の矢羽根は、単路部(道路の交差点以外の部分)と同様に自転車利用者にしかるべき経路を示して車道走行をサポートするもの。この交差点では、北枝と東枝(つまり「富田駅北宮田線」)に自転車の走行空間が整備されているので、交差点の中の矢羽根はやはり北枝と東枝をつなぐ形であるべきと見るのが自然かと思われます。

この交差点の主の道路「富田駅北宮田線」には、他にも屈曲している箇所があるので確認してみます。

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こちらではタテとともにヨコの方向にも矢羽根が標示されています。このように交差点内の矢羽根表示は「井桁」の形になるのが一般的です(北の枝の道幅が細いのでちょっとすぼまった形になっています)。

交差点内の矢羽根は、交差点の先の道路の矢羽根にスムーズにつながるよう概ね直線か緩いカーブで描かれます。つなぐ先の道路がない丁字路の場合でも、直進道路に交わる側の道路からの矢羽根は、そのまま直進させて直進道路に直交するように標示されます。

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丁字路の矢羽根表示イメージ

さらに高槻市内の別の路線を参考までに見ておきます。

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大阪医科大学北東角(八丁畷)


こちらでも自転車走行空間が整備されています。交差点を挟んで西が「矢羽根」、東が「自転車レーン」と、手法が変化する点で富田丘町の交差点と同じですが、交差点内で矢羽根状の表示が両方をつないでいます。
こうして比べてみるに、やはり富田丘町の交差点の表示は不自然だという印象は拭えません。

下は富田丘町の交差点の中に、東枝から延びる矢羽根を仮想的に描いてみた図です(赤色の矢羽根)。

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東枝から延ばした矢羽根のうち、Aは交差点の西の小街区に突き当たります。こちらはこれでよいとして、Bの矢羽根列は西枝の横断歩道付近に当たってしまいます。
そこで向きを調整してみたのがB’の列ですが、の列とは平行でなくなってしまい、またすぐ脇の横断歩道に対しても斜めの向きになります。こうしたイレギュラーな標示を管理者(行政かもしくは警察)が避けたか等で標示に踏み切れなかった? というのが想定する一つの理由です。

あともう一つ気になっている点があります(というかありました💦)。
それはこの交差点の信号で、下は富田丘町の交差点の信号配置の図です。
歩行者用信号が横断歩道に対応して4セット計8機、これに対して車両用の信号は3機となっています。

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この交差点には、西の枝に対応する車両用信号機(赤の楕円)がなかったのでした。
西の枝は交差点から出てゆく方向の一方通行です。つまり、西の枝からこの交差点へ入ってくる車がないのなら「車両用信号機を設ける必要などない」とされたということでしょう。

ですが一般的に自転車は、一方通行の道でもほとんどの場合その対象から外されています。下の写真のようにこの枝でも、一方通行と逆向きに進むことができます。

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「富田丘町の交差点」西枝で撮影


そしてこの場合、もし自転車がルールを厳密に守ってこの交差点へ西枝から入ろうとすると、停止するにも停止線がないので停止位置がわからず、発進するにも信号がないのでいつ発進すればいいのかわからない、ということになってしまいます。

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近年「自転車は車両のなかま」ということばをメディアや行政の広報等でよく目にします。でもこうして車両用の信号が、車だけを考慮して自転車等を看過している例は実際にはかなりあります。自転車の車道利用を進めるのならきちんと考慮されなければならない点です。

交差点内の矢羽根の話に戻ると、西の枝の脇から表示する矢羽根の位置が不不適切と捉えられたのではないかということと、この西の枝に対応する信号のないことが、自転車がここから発進をする際に起点となる場所を設定できなくしてしいて、それがこの交差点内の矢羽根標示にも影響したのではないか。つまり、この交差点の中の矢羽根の表示が片方だけになっているのは、あくまで推察にすぎないのですが、この道路の管理者が矢羽根表示位置の設定の断念の結果なのかもしれません。

ここまで交差点内の矢羽根に拘ってきたのは、この片方向にだけ表示されているのが不自然なだけでなく、利用者に不要な認知上の負荷(「これは何だろう」と考察・判断を利用者に求めてしまう)を与えてしまうことで、むしろ安全でスムーズな走行の妨げにさえなっていると考えるからです。

基本的に、誰にも瞬時に認知されて誰もが同じ判断となるのでなければならない道路標識などのサインが、ここでは通行者の判断を阻害している。その要因がこの交差点の形状に関係しているのではないかということを、推定であれここで示しておきたかったのでした。

と、ここまで書いてきた先日(‘23年6月)、実はこの西の枝に対する信号機が設置されているのが確認されたのでした。今年更新のグーグルマップにも映っていないので、本当につい最近の事だったようです。

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信号機設置の意図・動機は未確認ですが、西の枝が西向きの一方通行である限り、この新設の信号機を利用するのは自転車等の軽車両と、あとは今年設けられた「特定小型原付」(いわゆる電動キックボード)でしかないでょう。またこの信号設置は、この交差点が四枝の交差点であると管理者側が捉えていることを示していることにもなります。何にせよ、不自然な交差点内の矢羽根の現状をもたらしている(と考える)要因が一つ無くなったことにはなります。引き続き注意してゆきたく思います。

自転車の動線観察

さてここまで路面の表示や設備などの外形面を見てきましたが、続いて、交差点を通る自転車利用者の動き方について見てみます。
下の図は、そのなかで目についた走行パターンを図にしてみたものです。動きのパターンは実にたくさんあるので、流れの主である北枝⇄東枝の流れに絞っています。また「歩道⇄歩道」のケースも除外しています。

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●東枝から北枝へ(AA’
「自転車専用レーン」となっている東の枝は、歩道ではなく車道を通る自転車利用者は比較的多いように見受けます。ほとんどの方はここから北の枝へ進んでゆきます。

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東の枝から北の枝へ進むので右折になるわけですが、ここでは殆どの人は走り出すと止まらずに北枝へ進んでゆきます。北枝では車道を走る人もいれば、歩道へ入る人もいます。

なお自転車は、交差点を右折する際は二段階右折と言って、正面の信号で一旦その道を真っすぐに渡り切った後、あらためて曲がった方向の信号を待って発進するのがルールです。ただし二段階右折というのはそもそも一般のルール認知すら怪しい遵守度の低い自転車ルールです。このような光景自体は珍しくもないのですが、信号が備わっている交差点で、車道の停止線で止まっていた自転車の行為なので、ここではつい目に留まってしまいます。

ただでさえ遵守度の低い右折方法に、丁字路に似たこの交差点の形状が追い打ちをかけます。丁字路の右折では、自転車の待機位置がはっきりしにくいのです。また、一般的な交差点と違って待機する際、横断(前を横切る)方向の車両通行が無いので、ルールの説得力がどうしても弱くなります。つまり「何でこんなところでいちいち信号を待たなあかん」ということになります。さらに、後述しますがこの交差点では歩車分離に近い信号サイクルになっていることもあって、信号待ちをしている目の前で、多くの自転車利用者は右折方法などにかまわず次々と北枝へ進んでゆきます。

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2段階右折を実行する方もちゃんとおられます


さしあたって、ごく一部の意識的な自転車利用者を除いて、富田丘町の交差点の自転車利用者の二段階右折啓発は現状では絶望的な課題であります。

この交差点が自転車に二段階右折を求めているのだとすれば、待機位置の明示か交差点形状の見直しが必要でありますが、そもそも二段階右折の必要な個所なのか(やりすごすべき待機時の別方向の交通がない、もしくは極めて少ない)というそもそも論的な疑問が残ります。

東枝から北枝への自転車の動きなど、利用者は「右折」ということをあまり意識していないようですが、逆にひと度「右折」を意識すると、自転車の不利さ不便さが意識されることになるのがこの交差点です。
この点は、道路空間の中央を小回り右折する一般車両の目線ではあまり意識されないことではないかと思います。

あと、AA’の パターンでいちばん興味深かったのは、自転車の方々の多くが、車両用の信号ではなく、歩行者用の青信号で発進していたことでした。

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停止線では車と並んでいながら、信号が青になって車が走り出しても止まったままで、歩行者用の信号が青になるのを待って漕ぎ出してゆくのでした。

●北枝から東枝へ1(B’
北の枝も矢羽根の路面標示がされていて車道走行が促されている道ですが、車道を走る利用者の割合は東の枝に比べると下がるように伺えます。車の流れ具合によっても大きく上下するようです。

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ただ、車道走行の場合で目立つのが信号無視で、ほとんど減速する様子もなく左折してゆく様子が頻繁に見られます。

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また、歩道から車道へ降りる自転車について、この交差点で歩道を降りて車道へ移る例がよく見られます。他の自転車や歩行者との接触・衝突の危険性のある動き方です。

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歩道から車道へと走行位置を変える自転車利用者


●北枝から東枝へ2(
北の枝では、車道を逆向きに走る逆走は少ないものの、道路西側の歩道から交差点を渡る利用者も多くいます。このパターンもほとんどの利用者は歩行者用の信号で発進しています。

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左の横断歩道の歩行者信号(写真の左外)で交差点の横断を始めています


このとき、北東のコーナーを経ずに大きく交差点の中へ入って東枝への最短経路を進んでゆきます。歩行者信号でスタートしながら横断歩道にはほとんどかからない経路をとっているのですが、利用者はとくに気にもしていないでしょう。

●東枝(逆走)から北枝へ(D
ちょうどB’を逆向きに辿る経路になります。東の枝は向きを問わず車道がよく利用されますが、その一部が車道逆走となっています。そうして横断歩道のところで歩道へ上ってゆきます。北枝から左折してきた自転車や車、横断歩道を渡る歩行者との錯綜が気になるパターンです。

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●東枝から歩道へ(E
東枝の車道を進んできたものの、信号手前で歩道へ上ってゆくケースもよく見受けました。歩道で一旦待機して歩行者信号で横断してゆくパターンです(このまま左折するケースもあります)。利用者は、東枝の単路部のみを走路として利用した、という風に見えます。

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4つの枝のうち最も車道の巾の広いのが東枝で、歩道よりも自転車が快適に走りやすくなっています。そのためもあって総じて東枝では車道の利用度が高いのですが、こうして車道を走ってきた利用者が信号手前で車道を避けてしまったり、この反対側では逆走が頻発(D)していることを見れば、車道の利用度が「自転車は車道」といったルール意識とはとくに関係ないことが予見されます。
抜本策として例えば双方向の自転車走行環境などを検討してみたいですが、それには付近の道路の在り様を大きく見直す必要があり、当記事の範疇を越えてしまいますのでこのぐらいにさせていただきます。

〇動きや流れについての観察をまとめておきます
1.人・車・自転車とも一日を通じて比較的通行が多い。車は大半が乗用車でトラック類でも小型が多い。
2.自転車の走行位置では車道・歩道の両方あるものの、部分的には車道走行の割合がかなり高い所もある。
3.信号無視や錯綜の起こりやすい場所で走行位置を移行する行為が一部で頻発している。
4.二段階右折の低い履行(認知)率。
5.ほとんどの自転車利用者が、車両用信号ではなく、歩行者用信号の青で発進している。
6.5のため、歩行者信号が青の時にはスクランブル交差点のような光景を呈している。

総じて、自転車の利用の状況は管理者の求める形とは大きくかけ離れている様子が見てとれました。

歩行者用信号で動く自転車
観察で興味深かったのは、東枝の車道の信号で停止していた自転車の多くが、車両用ではなく歩行者用信号で発進していたことでした。改めて見てみると、どの枝からも多くの自転車が歩行者信号で発進しています。枝の向きに関わらず、歩行者と自転車が一斉に動き出す様子はスクランブル交差点等のような光景を呈します。

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ですがいざ注意してみると、歩車分離式の交差点には掲げられているはずのこの表示(↓)が、富田丘町の交差点には見当りません。

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高槻市内の歩車分離式交差点(Googleマップより)


富田丘町の交差点の信号現示を調べてみました。信号の色が何秒続いて次にどう変わるかといった設定のことを現示といいます。

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富田丘町の交差点の信号現示は3つのフェーズから成っていました。
東西方向と南北方向の2フェーズで制御される車両に対して、歩行者は1フェーズです。フェーズⅡでは車が完全に止まって、歩行者は東西南北とも青になるので、歩車分離型と言ってもよい信号現示ではないでしょうか。

この信号現示のなかでイレギュラーとなっているのがフェーズⅢ。西枝を横断する2つの横断歩道の信号についてはフェーズⅡに加えてフェーズⅢ(南北の車両用信号の青)にも青表示の時間が被っています。

西枝の交通量が際立って少ないのと一方通行であることからこうした特別な時間配分がされているのでしょうか。そしてこの信号現示にこうした変則部分のあることがこの交差点に「歩車分離式」の表示が掲げられない理由ではないかと考えます(つまり、完全な歩車分離でなければ「歩車分離式」の名前は与えられない)。

話を自転車の発進タイミングに戻します。
自転車の利用者らが車両用の信号をわざわざ見送ってまで歩行者用信号で発進するのは、彼らが自転車が車両用信号を使うことを知らないのでも慣れていないのでもなく、少なくともその多くはこの交差点の信号現示を経験的に知ったうえで敢えて車の往来のないタイミングで発進しているのだと推察します。また、停止線から発信する自転車利用者が歩行者用信号の青を待って発進する彼らは、正しいルールからはズレているとはいえ、利用者らの遵法意識が決して低いわけではないこともよく示していると思います。
一般の自転車利用者らはそれほどに車とのスペースを避けたがっている、車との離隔を求めているのではないでしょうか。

試案(まとめを兼ねて)

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以上を見てきていくつかの気づきがありましたが、この富田丘町の交差点に感じるのは、形式と実質のギャップです。四枝のような三枝のようなはっきりしないつくりとなっていますが、実質はそのどちらでもなく、たまたまメインの道路がカーブしている箇所に細街路が2本ついているのではないかというのが筆者の見立てです。

この稿、基本的には特定の交差点について気になったことをシロウトなりに掘り下げてみるというお気楽な趣旨なのですが、あれこれ説明をしていると例会では決まって「じゃあどうすればいい?」という流れになります。ついては会で示してみた案をいくらか肉付けして以下に示させていただきます。
もとより実現性は度外視したものですし、もし詳細設計をしてみれば「既定の条件を満たさず成り立たない」いう結末も考えられる荒い絵です。一定の考え方を示すためのタタキ以上のものではないことをお断りさせていただきます。

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街区、街区の歩道スペースの一部を削って西の街区Cの歩道スペースを拡張することで南枝を本線に対して直角に合流するような形にします。こうすることでメインの道路とサブの道路の関係をより明確にします。四隅の歩道でスペースに余裕のあるABの歩道から余裕の乏しいCDへスペース配分のバランス化も図ります。

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形状の変化に応じて横断歩道の取付位置も調整します。さらに、ここへ矢羽根を描いてみます。

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交差点内の矢羽根標示は今と同じ一列ですが同じ路線なので別方向の矢羽根をクロスさせる必要はありません。そして、東枝→北枝の進行が二段階右折ではなくなることがこの改変案の大きなポインになります。

なお、この図ではの街区の間に横断歩道がなくなっていますが、描き漏れでしょうか。下の写真を見てください。

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googleストリートビューより


これはストリートビューから取ったオランダのとある住宅街です。手前から奥へ行く幹線道路の脇から、いわゆる生活道路がつながっている箇所です。
一般に、こうしたところでは歩道はいったん途切れて車道に降り、道路を渡ってまた歩道へ上るという形を取りますが、ここでは途切れずに同じ高さのまま先の歩道へ続いています。こうすることで歩行者や自転車は段差に煩わされることなく通行できるのと、ドライバーには歩行者や自転車の優先度の高いことを強くアピールし、減速を促します。

車の交通量が少なく、かつ家庭生活に近いところでは、車には極力、歩行や自転車などのスピードに近づけることを求める考え方で私たちの周りの道路もつくられているとは思います。
けれどもそれを規制とか呼びかけではなく、物理的な道路のつくり方で表現してゆく姿勢を積極的にとって大きく成功しているのがオランダだと言われています。下のイラストもこうした考え方がわかりやすく描かれています(アメリカの行政の交通関係者らがつくっている団体のサイトから拝借しました)。

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下は国交省のHPから。日本でも上の考えに近い例が既にあることはあるようです。

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国交省「生活道路の交通安全対策ポータル」対策メニューより


西枝についてこのやり方を取り入れたイメージです(こまちの会合では、西枝だけでなく、南枝もこれでいいのでは、という声も出たりしました)。

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つくり込みもやりすぎるとボロが出ますしひとまずこのぐらいにしておきます。呑気な試案ですが問題を意識される方々の思いの具体化に多少なりとも参考になれば幸いです。ここまで目を通してくださってありがとうございました。

-お断りー
当記事における見解等は「たかつきこまち」の会合にて提示していますが、一義的には会員である「まちとこぐひと」の見解です。必ずしも全てが会としてオーソライズされているのではないことをお断りいたします。