整備が進む高槻の自転車走行空間
7/10の記事でご紹介した「たかつき自転車まちづくり向上計画(改訂素案)」意見募集の結果が公表されましたね。このpdfに市民からの意見と市の回答が示されていますので、主なポイント(市民意見→市回答の順)を見ていきましょう。
・計画期間を10年に延長する根拠は?
→明確な回答なし
・中間見直しの予定が明記されていないが?
→【修正あり】「適宜見直しを行う」旨明記する。
・初回計画の見直し期限を延期したことについて触れられていない。市民に説明すべきでは。
→令和3年に策定された国の第2次自転車活用推進計画を踏まえたものとするため。文言は修正しない。
・「全国交通事故に占める自転車関連事故の割合は約2割で推移しています」とあるが、明らかに平成27 年、28 年を境に減少から増加傾向にあるのでは?
→ご意見通り平成28年以降増加傾向だが、10年間でみれば2割前後で推移しているので修正しない。
・なぜ最も重要な「自転車関連事故件数」を政策目標に設定しないのか?
→【修正あり】自転車関連事故件数を計画目標の項目として追記する。
・高槻市民として気になるのは「前回の目標はどの程度達成されたのか?」「達成状況をふまえて、改訂版ではどこまでを目標として設定するのか?」なので、目標達成状況を一覧表にし、達成状況を踏まえてどのような方針で改訂を行うのか明示してほしい。
→目標の一覧評価と達成状況の整理は行わない。具体的な目標は実行計画で記載予定。
・JR駅前のロータリーは歩行者専用の歩道のはずだが、自転車が平気で通行している。自転車通行可の歩道から不可の歩道への切り替わりの部分をもっとはっきりと明示すべきだ。/自転車に関する講習会は小学生だけでなく全世代に広げてほしい。
→ご指摘は参考にさせていただく。文言は修正しない。
・みずき通や西国街道線など、路上駐車対策がなされないまま走行空間整備がされて、整備の目的が十分に果たせていない箇所を見かけます。ついては走行空間整備の評価とその後の整備へのフィードバックを何らかの形で仕組み化できないものでしょうか。/非常に危険な整備箇所もあります。一例として富田北駅宮田線の富田丘町西交差点付近。右折車線が付加されるため路肩がほぼなくなりますが、矢羽根標示によって車道混在を強いています。大型車両も多くバス路線でもある道で、自転車を車のすぐ脇に混在させる格好です。交差点内の見通しも著しく阻害された状態での信号待機となります。/またこちらは道路管理者が異なりますが、市役所前交差点につながる府道16 号は北行きレーンの渋滞が激しい道です。第1車線のクルマは大型車両の混入率が高く殆どが左折目的。しかも信号の現示割当てが僅か20 秒では、自転車が直進を果たすことは事実上不可能となっています。危険なうえに通れない走行空間とは何でしょうか。市から見直しの働きかけがなされるのを願います。
→ご指摘の内容につきましては、今後の交通管理者等との協議においての研究課題とさせていただきます。
・前向上計画の各種施策・事業の進捗管理を行うための学識経験者や市民、学校関係者、関連団体、警察、道路管理者等からによる「自転車利用環境向上協議会」ではなく、「庁内推進会議」の内部によるPDCA サイクルに変更されたのは、外部のチェックの機会を設けず庁内だけで進める姿勢を示すものでは?
→文言修整せず。
・前回向上計画で示されていた「交通事故の国際比較」を削除したのはなぜか?
→国によって法律や道路環境が違うので、今回の改訂では国や府の計画をふまえ本市の特性を加味した自転車利用の現状を掲載する主旨から国際比較を削除した。
一般的に自治体のパブコメというものは役所の「原案通り」という回答がずらっと並び、市民の意見を聞きましたという「アリバイづくりの儀式」と批判されることも多いですが、今回の高槻市の回答はいかがでしょうか?訊かれたこと、指摘された点について「答えていない」と感じられる点も多いと思われますが、中には文言の修正を引き出していたり、「ご指摘は参考にさせていただく」と「研究課題とさせていただく」を明確に使い分けたりしている点もあり、なかなか興味深いですね。私たち一般の高槻市民が関心を持って声を届けてくことで変わる部分も必ずありますので、地道に気づいたことを発信していければと思います。
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