第47回土木計画学研究発表会

土木学会 土木計画学研究発表会が6月1日(土)2日(日)の2日間、
広島工業大学(五日市キャンパス)で開催されました。
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その中で、うべこまちの村上様の発表がとても興味深い内容でしたので、
概要を以下に記します。(論文より)

「高齢者の自転車ヒヤリ・ハット調査と自転車走行空間に関する研究
  ー山口県宇部市の事例ー」
                        山口大学 村上ひとみ准教授

概要
老人クラブ連合会にアンケートを依頼し、普段の交通手段・頻度、自転車通行位置・場所、
自転車対自動車・自転車対自転車・歩行者対自転車のヒヤリ・ハットに関する項目、
自転車レーン支持度合いである。

アンケートの配布は宇部市の22校区、計550部で回収は320部です。

健常者とヒヤリ・ハットの関連性として、歩行者対自転車で健常度が下がる
(全く健常→ゆっくり歩く→杖などを使う)とヒヤリ・ハットの割合が増している。

また、健常度が下がるに従って歩道の自転車に対して恐怖を抱き、徒歩への意欲が高まる一方、
歩道が危険との指摘が増し、自転車レーンの支持率が高まる。
数値を見ると、全く健常では「とても恐ろしい」「少し恐ろしい」を合わせて55%であるが、
健常度が少し下がり「ゆっくり歩く」では73%、さらに下がり「杖などを使う」では83%と
身体的に衰えると(健常度が下がる)と、自転車への恐怖心が高くなる結果となっている。

写真は講習会の様子(発表者は村上先生ではありません)
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感想:老人クラブを利用したアンケートというアイデアは参考になります。
また、健常度とヒヤリ・ハットの関係もおもしろい着眼点だと思った。

一般的に児童や学生、高齢者のアンケートは、学校や施設にお願いすることで実施することが
可能であるが、主婦層やサラリーマン層などへのアンケートで簡易かつ安価で効率よい方法は
無いのであろうか。