自転車安全教育指導員講習会に参加して

IMG_2657.jpg

 2月3日(金)午後、たかつきこまち主催による「自転車安全教育指導員講習会」に参加しました。参加人数は、20数名でした。今回は、講習概要や参加者の感想などについて書きます。

○講義と実技
 高槻警察著交通課および財団法人大阪府交通安全協会の方から大阪府内や高槻市内における事故の状況、自転車交通安全についての講義を受けました。

・2011年大阪府の交通事故状況について
交通事故死亡者数(24時間以内)
 全国:4,611名
 大阪:197名(高槻4名)
人身事故件数
 大阪:49,546件(▲1,746件減)
 高槻:1,665件(▲4件減)
自転車に関する事故件数
 高槻:586件(35.2%の割合で自転車関連事故が起きている)
 時間帯:通勤、通学の時間帯が非常に多い。
 事故場所:幹線道路から一つ外れた道路(いわゆる”抜け道”)の見通しの悪い交差点が多い。
 現在、自転車については、交通ルールの無視や交通マナーの低下が社会問題化しており、今後は、自転車運転への徹底した指導取締りの強化、小中高、高齢者への安全教育、道路管理者との交通安全施設の整備、改良を図っていかれるとのことで、これには、一般市民の立場として協力していくことも必要と感じました。また、危険を予測した運転を心がけることも印象に残った言葉でかつ自分でも実践できることとも感じました。

○講義(座学)
 財団法人大阪府交通安全協会の方から約1時間の講義を受けました。
 自転車の事故について、損害賠償額が3,4千万円の事例も起こっており、万が一の保険として、自転車整備もかねる「TSマーク(1~2千円弱)」の必要性を紹介されました。
・自転車安全教育指導員(5年間有効、二輪車も同様の指導員制度あり)
 現在、大阪府で1,000名(うち800名が警察官)。指導する際には、登録バッチをつけて指導を行う。
・春秋の全国交通安全運動について
 昭和23年の年末の1週間で実施。背景には交通事故が増えてきたことがありました。昭和27年頃から現行の春秋の二回実施へ。交通免許については16歳からの取得のため、16歳未満の子供たちは道路交通法に触れる機会が少ないこともあり、16歳未満の子供たちへ交通事故に合わないように指導教育、免許を引退される高齢者への指導教育を行うことを重点に置かれているそうです。
・「自転車の交通安全ブック」より(ポイントとなる項目について講習)
 体に合った自転車、自転車のしくみ、自転車の点検、交通のきまり、安全の確認と合図、正しい発進と停止の仕方、ブレーキのかけ方、自転車の通るところ、横断のし方、交差点に入るとき、右左折のし方、交差点での注意、踏切の渡り方についての説明を受けました。
・自転車交通安全の教育として、講習ビデオにて講習。
 実技形式での交通安全教育ビデオが上映され、具体的なイメージが理解できました。

○実技
 会場内に道路、横断歩道、信号機、停車車両、踏切などの仮想都市での実技。
・安全・技能走行テストコースを講習参加者が周回。いつもと勝手が違いなかなか上手くいかない一面も。
・技能走行コースの「遅のり走行」では、約12m程度(30cm幅)のコースを25秒かけて走行したり、「ジグザグコース」では、短い間隔のスラロームに四苦八苦し、ほとんどの方が、上手に走行することが難しかったです。

○講義についての感想
・一日の講義ですべてを理解することは難しいと感じ、今後も継続した教育の場が必要と感じました。
・講義がやや一方通行のような感もありましたが、指導員としてどのようにあるべきなのかなど、教える立場の心得についても必要ではないかと感じました。
・講義の中で特に印象に感じたことは、「自転車は、手軽で便利であるが交通ルールやマナーを守らないと交通事故に遭いやすく、かつ、交通事故による損害賠償で多額の負債を負ってしまう恐れがあると強く感じました。

○実技についての感想
・安全・技能走行テストコースを体験してみて、普段何気なく自転車を乗っている感覚からは遠く及ばず、非常に運転技術力が必要と感じました。
・特に、右左折時の合図による片手運転など、非常に対応が難しいにもかかわらず、「お手軽な自転車」として街中を走っていることに非常に矛盾を感じました。

○まとめ
 日常生活での「自転車」の位置づけが各地でクローズアップされている中で、「交通」「施設整備」の議論に加えて、自転車運転者への安全教育の徹底を行うことが大変であることも実感しました。今後は、研究会の活動として社会貢献できるよう感じました。(Y)

○配布資料
・自転車安全教育指導員養成講習実施要領(実施概要表紙)
・「自転車の交通安全ブック」(財)全日本交通安全協会
・「自転車の交通安全ルールブック」大阪府警察・(財)大阪府交通安全協会ほか
・「自転車に関係する標識・標示の種類と意味(抜粋)」(財)大阪府交通安全協会
・「自転車安全教育指導員等の講習の実施および認定登録要綱」(財)全日本交通安全協会
・「安全教室カリキュラム」
・「第46回交通安全子供自転車大阪府大会学科テスト問題(交通規則)」
・「TSマーク付帯保険支払い事故例(賠償責任事故)」
・「啓蒙リーフレット」(財)大阪府交通安全協会、大阪府警察、高槻警察署ほか