乗入れと車止めを考える

歩行空間(歩道や自転車歩行車道)において、よく「安心して安全に、あるいは人に優し」
などと目標やスローガンなどで聞くことは良くありますが、
果たして「安心して」「安全に」「人にやさしい」とは
具体的にどのような歩行空間なのでしょうか。

ドイツのいくつかの都市を歩いて感じたのは、
「安心して車や自転車に怯えることなく歩くことが出来る」ということです。
当然と言えば当然なのですが、では皆さんの住んでいる街や訪れた街で
「車や自転車に怯えることなく歩くことが出来るのでしょうか」
20110213乗入と車止め
国内のほとんどの街中は写真にあるように、「乗入れ」と言われる
「歩行空間において歩行者と車が交差する箇所」が多すぎるのではないでしょうか。
この「乗入れ」は、沿道に店舗や駐車場などがあるために、
車が本来は入ることのない歩行空間を横切る「危険箇所」として、
歩行空間を常に緊張感を持ち、車の横断に気をつけなければいけない空間にしています。

以前このブログで紹介した「安心して歩くことが出来る歩道とは」は、
スーパーやドラッグストアの駐車場は歩道のあるメイン通りからではなく、
一旦脇道に入り裏手から駐車場に入るよう工夫されています。
これによりメイン通りは歩行者と車が交差する「乗入れ」が無く、
安心して安全に歩くことが出来ます。
このように「安心して安全に歩くことや人に優しい歩行空間」を目指すのであれば、
極力この危険な「乗入れ」を少なくすることが大事だと思います。

また、この危険な「乗入れは写真にあるように邪魔な「車止め」
設置されることが多いです。
これは、自転車歩行車道であれば、車道側を走らなければいけない自転車にとっても
植樹帯や巻込みの段差とともに、非常に邪魔な「障害」となっています。
さらに、白杖を利用する目の不自由な方など、誘導ブロックを白杖でなぞって歩く方、
あるいは車椅子の方にはまさしく「障害」になります。
この「車止め」はそもそも必要なのでしょうか。
「えっ、車が歩道に入ってくるから車止めが必要」なのですか?
車が歩道にはいること自体「異常」な事ですし、そのような事がないように
「規則」があるのではないでしょうか。
この障害となる「車止め」というは、「乗入れ」が無くなれば、
自然と不要になるのではないでしょうか。
沿道からの直接の「乗入れ」が無くなれば、邪魔な「車止め」も不要となり、
はじめて歩行者は車の横断や障害物も無い歩行空間を
「安心して安全に歩くことが出来る」のだと思いますが、皆さんいかがでしょうか。