自転車の街ミュンスター(3)

ミュンスターの自転車事情の最後です。

ミュンスターに限らずドイツで見かけ感心したのは、自転車の停止線が車の前方にあることです。
つまり、自転車が車の前方に並び、先に発進することで、車による巻き込み事故などの対策になります。
また、日本のように車の横の狭い空間(路肩部分)で待つこともありません。
さらに赤信号で待つあいだ車からの排気ガスに悩まされることもないでしょう。
(なんて理にかなっているのでしょう)
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交差点では、左写真のように自転車通行帯が明示されています。
また自転車による左折(日本では右折)溜まり(待ちスペース)がきちんと確保されています。
の写真は、一方通行を自転車が逆走する場合、自転車は設置されている専用レーンを走行しているものです。
逆走のための自転車専用レーンが設置されていること、またルールを厳守していることに感心しました。
(日本では自転車規則を守らないことが平常化しており、「決めたことは守る国民性」と
「見つからなければ守らなくて良いと思う国民性」の違いに愕然としました。
ひょっとして日本の常識は世界の非常識・・・・かもしれません)
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子供は、親や地域から自転車の規則を知らず知らずのうちに学んでいると思われます。
写真左のようなタンデム車(二人乗り自転車)を良く見かけます。
ドイツでは、学校での道交法の教育や団体(ADFC:全ドイツ自転車クラブやADAC:全ドイツ自動車協会)
も定期的に自転車の乗り方などを指導しているとのことである。
の写真は、ドイツにおける自転車構造を物語っている。
停止しているときは、お尻はサドルから降ろし両足を着いているのである。
つまり、お尻にサドルを乗せた状態(自転車を運転している時)は、足は地面に届かない
(あるいはつま先が届く程度)ということである。
これは、足をほぼ伸ばした状態(無駄なく力がペダルに伝わる)で自転車をこぐ、
つまりスピードが出しやすいということである。
また、テールランプの大きさも特徴的である。なにしろデカイ!!
夜間における背後からの車のライトに反射するように大きくしていると思いますが、
ここにも「自分の身は自分で守る」という意識の違いを感じました。
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視察したドイツの自転車交通で感じたことは、
1)交通法規の遵守
2)交通手段としての自転車
3)自動車や自転車を利用出来ない人の移動手段の確保
4)自動車類は車道、歩行者類は歩道の徹底した空間配分
5)身についている交通弱者保護
6)これらを可能にしている街づくり(ゾーニングや沿道開発規制)
など、日本では「言われてはいるが実行できていない」部分が、
ドイツでは確実に実行されていることだと感じました。