歩行者に配慮した道路

高槻市内で見つけた「歩行者などにやさしい道路」です。
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何が優しいかと言うと、限られた道路空間の中で、歩道は出来るだけ確保し、
車道部を狭く車などは速度を落とさざるを得ない、という状況を作り出しているからです。
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ここは、道路幅として4.7mしかありません。(下図)
歩道と車道の割合は、2対2.7となっています。
通常4.7mの道路幅であれば、下記「道路構造令」という決まり事に準じれば、
路肩0.5m+車道4.0m+路肩0.5mの道路幅5.0mが標準となり、4.7mであれば歩道などを設ける余地はないのです。
医科大西通り
ところが、大阪医科大の西側に位置するこの道路は、狭くても歩道2.0mを確保し、
残った部分を車道としているように思われます。
車道部を基準以下(道路構造令では車道3.0m+路肩0.5m×2=1.0mの計4.0m)にすることで、
車の速度が抑制され(つまり車が走りにくい)、歩行者への安全性が高められていると思われます。

住宅地や中心市街地など歩行者を重視した道路空間、あるいは病院や公共施設などが多い地区においては、
車重視ではなく、基準を柔軟に運用し歩行者などに安全で安心した歩道を整備することが大切だと思います。

高槻市街における「隠れた道路のファインプレー」だと思います。

参考までに道路構造令における車道幅員と歩道幅員の基準を示します。
第1種と第2種は名神高速道路や阪神高速道路などの高速道路の基準地です。
それ以外の一般的な道路において、第3種は山間部の道路、第4種は平地部の道路と大まかに分類できます。
また、第1級は規格が高く(交通量などが多い。走行速度は速い)、第2級、第3級と規格が低くなることを示します。
なお、写真の道路は1車線ということもあり、第4種第4級の普通道路が適当と思われます。
従って、前述しましたが基準では道路幅員5.0m(車道4.0m+路肩0.5m×2=1.0m)と言えます。
車線
路肩