ドイツ視察(フライブルクの自転車道など)

旧市街地は車の乗り入れを規制して、LRTや自転車、徒歩により買い物や散策が出来るようになってる。旧市街地の周囲は環状道路が通っており、自動車などは旧市街地を大きく迂回することになる。
写真は環状道路の横断歩道部分である。日本のようなゼブラ(路面標示)ではなく、シンプルな破線だけである。停止線や信号はあるものの車が止まってくれるのか心配である。
注目したいのは、自転車道がこのような横断歩道部分でも連続していることである。歩行者の溜まり空間を確保し少し迂回するが「ちゃんと連続」している。
日本では自転車道や自転車通行帯と言いながら、横断歩道やバス停で一旦途切れており、その部分は「歩道」扱いのため自転車は「徐行:すぐに止まれる速度」もしくは降りて押さなければならない。
IMG_00671.jpg
次に交差点である。
気持ち良いくらいに「最短距離」である。しかもカラー舗装で目立っている。
日本の場合、車の左折に巻き込まれる等の理由で、自転車横断帯は横断歩道に沿って(つまり巻き込んだ位置)にあるため、車道左端を走ってきた自転車は大きく迂回して交差点を渡ることになる。このことは逆に左折車に巻き込まれる危険性が高まると思うのだがいかがだろう?
Freiburg03
ドイツで自転車を優遇していることを示す一例である。
停止線が車よりも前(交差点内側)にあり、自転車は車より先に発進することが出来る。日本では二輪車の停止線が車より前にあるのを見かけたことがあるが、ドイツでは自転車を「交通手段」として認めているのである。そしてそれをドライバー達は理解し、自転車に優先権を与えているのである。
IMG_0072.jpg IMG_0097.jpg
次に、車の駐停車と自転車道の位置関係であるが、これも日本と大きく異なる。
視察の中であまり見かけなかったのだが、日本のように沿道にコンビニやスーパー、ドラッグストア、飲食店が少ないため、車が歩道を横切り(乗り入れ)駐車場に入れることが少ないように感じた。
これは都市計画やまちづくりの考え、規制や行政指導の違いによると思われるが、ドイツの場合、市街地や住宅地など点在する都市を道路が結んでいるため、買い物や娯楽等は旧市街地、住居は静かな郊外の住宅地などと機能分類・空間分類がハッキリしており、道路は車などが走る移動するための空間と考えられており、沿道に商店などが少ないものと思われる。ちなみに沿道に自動販売機は設置することが出来ないそうである。
このため、車はどこに駐停車するかと言えば、「道路空間」である。写真のように建物があり歩道空間が確保され車道空間には駐停車帯、自転車道、車の走行車線という具合である。
「駐停車のドアが急に開くからダメ!!」と決めつけるのが日本流であろうが、車道側に降りる人は、その多くが後方確認をして安全を確認するから大丈夫というのがドイツの考え方らしい。(ドイツ以外もそうかもしれない)
IMG_0089.jpg

いずれにせよ文化、歴史、まちづくり、人間性や価値観の違いに驚かされた視察であった。