消えゆく大阪の赤バス・2

 6月11日の投稿に、「消えゆく大阪の赤バス」という記事がありましたが、所用の帰りに赤バス(西淡路~区役所)(東淀川区)に乗車する機会があったので、ご報告いたします。

 赤バス「西淡路~区役所」
     (写真1) 「新大阪駅東口」停留所に停車中の赤バス

 この路線は、他地域の赤バスのようにループする形はとらず、片道約25分のルートを往復する形をとっています。マンションや住宅街と以下のような生活施設がうまく結ばれているのが特徴で、車内は非常に多くの利用客で賑わっていました。平日の正午頃に利用しましたが、かなりの区間において20名以上が車内にいる状態で、小型ノンステップバス(座席数:15席)では座れない乗客が多かったというのが、印象に残っています(年齢層も、非常に幅広かったです)。

  ・東淀川区役所前…東淀川区役所/区民ホール。
  ・豊新二丁目…医誠会病院・ボウリング場を含む娯楽施設。
  ・東淀川郵便局前…井高野車庫前~歌島橋・大阪駅前方面への市営バス乗継。
  ・下新庄公園西口…吹田祭典(葬儀会館)。
  ・下新庄駅西口…阪急千里線への乗継。
  ・淡路四丁目…淡路商店街。
  ・淡路二丁目…淀川キリスト教病院。
  ・阪急崇禅寺駅前…阪急京都線への乗継。
  ・中島中学校前…東淀川体育館/勤労者センター・新大阪ユースホステル・ビジネス街。
  ・新大阪駅東口…地下鉄御堂筋線・JR線・新幹線・各方面高速バス・空港バスへの乗継・週末などに地域内のフリーマーケット等で使われている東口広場。

赤バス「西淡路~区役所」
     (写真2)非常に混雑して立ち客が出ている赤バス車内
               (下新庄駅西口付近を走行中)

 2002年頃までは、この路線は、約60人乗りの大きな車両で運行されていました。当時は「支線41号系統」という系統番号で、約70分間隔の運行、1日に約10往復しかほど走っていなかったと記憶しています。いつ来るかわからないようなダイヤだったため、現在とほぼ同じルートを走行していたにもかかわらず、ほとんど住民の足として認識されておらず、1便あたりの利用者は、5名前後しかいませんでした。

 赤バス運行開始に伴い、2002年から「赤バス(西淡路~区役所)」として運行されることになり、2007年から現行とほぼ同じダイヤ、完全30分間隔の運行、1日に20往復の運行となりました。

 利用してみて、小さなバスでまかなえているのが不思議なくらい、利用者が増えている事に驚かされました!
 運行本数をある程度増発した上で、「覚えやすいパターンダイヤ」(新大阪駅東口・東淀川区役所前をそれぞれ毎時00・30分に出発)で運行を行うと、地域住民の生活に自然となじんでいき、利用者拡大につながる(潜在需要を発掘できる)、よいモデルケースといえるのではないかと思います(実際に車内では、独り言のようにしゃべりながら、帰りに乗るバスの時刻を頭の中で計算しているお年寄りもおられました)。
※そういえば、高槻市営バスでは、昔から「覚えやすいパターンダイヤ」を意識したダイヤ編成が実践されていますね。

 来年度に予定されている赤バス見直しの際、これらのよい事例をノウハウとして活かし、利用者の視点から使いやすい代替手段を作ってほしいと、強く感じました。